私は、2024年4月のある特別な日に、遺書代わりでもある「とにかくハードルの低い起業&経営」という著書を出版しました。
そして、イマ私が、またブログを始めようと思った理由は、私が経営者として走ってきた道のりを、誤答も、笑顔も、泪も、すべて知ってもらえたらうれしいなと思ったからです。著書では伝え切れなかった部分が多く、形に残したいと考えました。
もしかしたら、このブログは自己満足になるかもしれません。
それでも、もし誰か一人でも、私のお話を聞いて、今の自分を少しでも前に進める勇気を持ってくれたら。それだけで十分、この上ない喜びです。暫く発信する練習をこのブログを使って行わせてください。
今回のテーマは女性が活躍する環境について
私の会社では今、7割以上女性が所属しています。女性が働く「環境」について、少し話をしたいと思います。
それは、派遣という働き方であれ、パートであれ、正社員であれ…
「産休」「育休」を“あたりまえ”に取得することができ、また、“あたりまえ”のように社会に戻れる世の中をつくっていきたいということです。
この文章は、どこかのメディアの編集者が書いたものではありません。経営者である私自身が、自分の言葉で、今の想いを記しています。
経営をしていると、利益や効率、システム化といった言葉がどうしても先行します。けれど私は、どこまでいっても“人”に向き合う仕事がしたい。そう思って、この人材派遣の世界に身を置いてきました。
そして、今、強く思います。
働く女性が「辞めなくていい会社」「また戻ってこられる場所」を増やしたい、と。
女性比率7割超の職場から見える“現実”
冒頭で書いたように、当社で働く派遣スタッフの約7割以上が女性です。
日々、現場で起きることやスタッフからの相談に接していると、女性ならではのライフイベントと働き方との間に、まだまだ深い“谷”があると感じさせられます。
特に顕著なのが、出産・育児期の働き方です。正社員であれば取得が進んできた「産休・育休」も、派遣という形になると話は別です。制度が整っていても、実際には取得できないことも多く、心配や不安を抱えながら職場を離れる方が後を絶ちません。
なぜ、働き続けたいのに、それができないのか。
なぜ、制度はあるのに、それが活かされないのか。
そう思いながら、私は経営者としての責任を考えるようになりました。
派遣先と真正面から向き合う覚悟
この課題に本気で取り組もうと決めた時、私はまず「派遣先企業との関係性」を見直しました。
当社の派遣スタッフに産休・育休を安心して取得してもらうためには、派遣先企業の理解と協力が不可欠です。
最初は、まあまあ反発もありました。
「派遣なのに、そこまで配慮するのか」
「産休後、本当に戻ってくるのか?」
そんな声も、正直ありました。
確かにおっしゃられる事は理解できます。簡単な話でない事もわかります。
しかし、ここを解決せずして、女性が活躍できる社会は作ることができません。
時間はかかりました。けれど、その分、理解してくださる企業も確実に増えてきています。
今では、育休取得後にスムーズに復帰できる環境をつくれた派遣先も出てきています。小さな一歩かもしれませんが、私にとっては大きな希望です。
ただ制度を整えるだけでは不十分
制度の整備だけでは、真の意味での「支援」にはなりません。
派遣スタッフが働きやすい環境を実現するには、その人の生活に寄り添う具体的な設計が必要です。
当社では以下のような取り組みを進めています:
- 短時間勤務(例:9時〜15時など)の導入
- 週3日勤務など柔軟なシフトの提案
- 子どもの急な発熱にも対応できる職場の選定
- 保育園の送り迎えを考慮した就業先との調整
私たちは、これらを「スタッフの声」から拾い上げてつくってきました。
一人ひとりが生活の中で「こうだったらいいのに」と思うこと。それを派遣先企業と共有し、実現可能な形に変えていく。この繰り返しが、会社としての信頼にもつながっていると感じます。
コミュニティという“もうひとつの居場所”
私が個人的に力を入れている取り組みのひとつに、「子育て世代向けのコミュニティ運営」があります。
働く女性にとって、一番苦しいのは「相談できないこと」だと思っています。
職場でも家でも、何となく自分の不安や悩みを言えずに抱えてしまう。その結果、精神的に追い詰められてしまう方も少なくありません。
だからこそ、仕事とは直接関係ないように見える場所──たとえば、オンラインで雑談できる場所や、情報交換ができるLINEグループ──そんな「誰かに話せる空間」を、会社として用意しています。
それは業務ではないかもしれない。
でも、人として必要な居場所だと思うのです。
もし、これを見ている方で「私も参加してみたい」と思われる方は、遠慮なくご参加ください。
LINEのオープンチャットでコミュニティを運営しており、さまざまな協力団体の方が参加していますので、相談がしやすい環境にあります。「脱・孤育て」というコミュニティで検索頂ければ、どなたでも参加できるようにしています。
次のステージ:三重県における在宅勤務の開拓
今、私が最も注力している新たな挑戦があります。
それが、地方における在宅勤務の拡大です。
特に三重県のような地域では、在宅勤務の導入率がまだまだ低く、
「在宅で働く」という選択肢自体が一般的ではありません。
けれど私は、ここに大きな可能性を感じています。
なぜなら、通勤という障壁を取り払うだけで、
「働きたいけど動けない」人材が一気に活躍のフィールドを広げられるからです。
そこで当社では、在宅勤務に必要なスキル研修も並行して行っています。
- 基礎的なパソコン操作
- オンライン会議の参加方法
- 在宅勤務時のマナーとコミュニケーション
このような講座を無料で提供し、未経験の方でも安心して在宅業務に挑戦できる仕組みを整えています。
三重県から「在宅勤務が当たり前」になるような流れを、私たちが起点となって生み出していきたいと、本気で考えています。
経営とは、利益ではなく“人”の可能性を広げること
私はこれまで、いくつもの壁にぶつかり、乗り越えてきました。
その中でひとつだけ確信したことがあります。
それは、「事業とは、人の人生に伴走すること」だということです。
目の前にいるスタッフが、
「もう一度働けた」
「また社会とつながれた」
「自信を取り戻せた」
そう言ってくれる瞬間が、何よりも私の原動力になります。
私は経営者です。
でも、決して“遠いところにいる人”ではいたくありません。
これからも現場の声に耳を傾け、
一人ひとりの「働く」に正面から向き合っていきたいと思っています。
そして、派遣という働き方を通じて、
「誰もが自分らしく働ける社会」をつくる一翼を担えたら、それほど幸せなことはありません。
最後に
この文章を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
もし、いま育児と仕事の両立に悩んでいる方がいたら──
「諦めなくていい」と伝えたい。
派遣だからといって、産休・育休を取れないなんてことはない。
派遣だからといって、社会に戻れないなんてことはない。
私たちが、あなたの“戻れる場所”になります。
そして、あなたが「また働けてよかった」と笑顔で言える日が来るよう、
私たちはこれからも、全力で支えていきます。
それが、私がこの事業にかけている“本当の想い”です。
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